・【酒コラム 友田晶子】はじける果実感、ジャパニーズ・クラフト・リキュールが世界で注目
海外では、日本産のウイスキーやジンが注目を浴びているが、リキュールの人気も実はじわじわきている。日本産リキュールといえば、なんといっても「梅酒」だ。甘酸っぱく、特有のオリエンタルなフレーヴァーは、アジア圏では絶大な人気がある。続いて「ゆず酒」。こちらは、ヨーロッパでの人気が高い。レモンにもグレープフルーツにもない、なんとも奥ゆかしい柑橘フレーヴァーはかなり魅惑的だ。なんてったって有名香水メーカーも「YUZU」アロマを出しているくらいだし。
リキュールをはじめ、日本酒、焼酎、ビール、スピリッツなど幅広い“國酒”を世界の人に飲んでもらいたいという思いをベースに、製造から小売までを垂直統合し、展開しているのがリカー・イノベーションだ。工場を持たないファブレススタイルで、お客様の声を反映させながら全国のメーカーと商品を企画製造し、仕入れとPR、さらには、小売店販売・ネット販売まで行う。また自社営業の飲食店も数店舗ある。企業メッセージは「SAKE to THE WORLD」だ。
先日開催の香港インターナショナル・ワイン&スピリッツフェア2020では、とくにこのジャパニーズ・リキュールを目指し、たくさんのバイヤーが訪れた。注目は、「まるごと完熟温州みかん」と、大分県で梨選びと収穫からこだわったという「豊水梨のお酒」。搾りたてのみかんジュースをそのまま飲んでいるような、また完熟梨にかぶりついているような、はじけんばかりの圧倒的な果汁感が、もう、たまらない。世界にリキュールは数あれど、ここまで新鮮で、ナチュラルな果実感のあるリキュールは、日本ならではだろう。そのままでも美味しいし、オンザロックやソーダ割りもいい。海外ではバーツールとして広く利用価値がある。最近はカクテル……ではなく、ミクソロジーの時代。よりナチュラルな素材を使ったテーマ性のあるミックスカクテルが流行している。これの原料としては使い勝手がいいと思う。
また、リカー・イノベーションでは、このほか、コールドプレス(低速低温圧搾法)で作られた純米酒ベースのフルーツリキュールを12種類のシリーズとして造っている。コールドプレスジュースは消化器官に負担をかけず、多量に含まれる水溶性食物繊維はダイエット効果があり、腸内環境を良好に保つ。日本の女性のみならず、世界の女性、いや世界のセレブが欲している「ヘルシーでおしゃれな食べ物・飲み物」に、このリキュールはまさにぴったり合致する。甘い酒は女子供のもの、いやいや、料理に合わない、などという意見はもうちょっと時代遅れだ。超ナチュラル志向のジャパニーズ・クラフト・リキュール、早めに取り掛かったほうがいい。
友田晶子
「まるごと完熟温州みかん」
720㎖ 1750円(税別)
1800㎖ 3500円(税別)
「豊水梨のお酒」
720㎖ 1750円(税別)
1800㎖ 3500円(税別)
Posted at - 2020/01/07(火曜日) 17:26:00 -
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